2020年5月31日 聖霊降臨節第1主日 ペンテコステ礼拝
聖書 使徒言行録2章36~42節
2020-0531説教 聖霊降臨の出来事
ヨハネによる福音書を連続講解説教していますが、前回5月17日では、ヨハネによる福音書16章16節から説教しました。覚えておられるでしょうか? その時、イエス様は
「しばらくすると、あなたがたはもうわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる」と言われました(16節)。19節までに同じ言葉が4度も使われています。その前の段落では、イエス様はご自身を遣われた父のもとに行く、帰ると言われます。そのとき、弁護者としての聖霊、真理の霊が来ると断言されたのです(7~13節)。
聖霊は弁護者と呼ばれます。また、原語の意味は慰め主、助け主、同伴者を意味します。そのお方を遣わすと言われました。これがイエス様の約束です。
この直後、イエス様はユダヤの人たちに捕縛され、裁判にかけられ、罪がないのに有罪とされ、十字架につけられたのです。イエス様は「父よ、彼らをお赦しください。何をしているのか分からないのです」と死を経験される直前に言われました。罪を犯した人たちを赦し、とりなしをされたのです。
墓に葬られましたが、三日目に復活されました。復活です。それから、弟子たちのもとに日曜日ごとにご自身を現わされました。なまみのからだをもって、弟子たちに触らせ、ともに食事をされます。それから12弟子たち、そして500人以上もの兄弟たちに同時に現れたことが記されています(Ⅰコリント15章5,6節)。復活後40日にわたって弟子たちに現れ、神の国について話されたのです(使徒1章3節)。こうして、主イエスは言われます。
「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである」
また言われます。
「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」
(使徒言行録1章4~9節)
こうしてイエス様は昇天されるのです。昇天から10日目、ついに聖霊が降臨されたのです。いまは、イエス様の霊である聖霊の時代です。聖霊が働かれています。聖霊が働かれているということは、そこに父なる神、イエス様もともにおられるということです。三位一体の神様が聖霊として働かれているのです。
1.聖霊降臨の出来事
今日の聖書、2章1節からは、聖霊が降臨される出来事が示されています。声を出して、お読みしましょう。
「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした」
五旬祭とありますが、これがペンテコステですね。五旬とは、50のことです。ペンテコステです。(旧約聖書のレビ記23章15~22節に規定があります)
50日とはどこから50日かと申しますと、過越しです。出エジプト記13章、小羊の血を鴨居に塗ると主は過ぎこされる。ここからエジプトに400年間、奴隷状態になっていたイスラエルの民が解放されるのです。
新約において、主イエス様が神の小羊として、十字架につけられ、十字架で流された血潮によって、信じるすべての人の罪が赦され、罪の奴隷から解放し、永遠のいのちへと導かれる。これが神のご計画であり、主イエス様のなされた神の子としてのお務めなのです。
福音書は、主の十字架と復活が中心です。これがなければすべてがむなしいのです。
2.ペトロの説教
さて、約束のように聖霊が降臨され、弟子たちは聖霊に満たされます。聖霊によって強められた弟子たちはペトロを先頭にエルサレムの街頭に立ち、説教をするのです。路傍伝道です。14節以降。ペトロの説教の内容。長い説教です。ヨエルという旧約の預言者の言葉が引用されます。神の計画であったということですね。22節には
「イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。このイエスを神は、お定めになった計画により、あらかじめご存じのうえで、あなたがたに引き渡されたのですが、あなたがたは律法を知らない者たちの手を借りて、十字架につけて殺してしまったのです。しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです」
また、32節ですね。
「神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。それで、イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです。ダビデは天に昇りませんでしたが、彼自身こう言っています。『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着け。わたしがあなたの敵を、あなたの足台とするときまで」』
だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです」
ペトロは大胆に主イエス・キリストの十字架と復活を証ししたのです。そして、悔い改めを迫りました。まさしく、聖霊のお働きです。ヨハネ16章8~14節 罪と義と裁きを明らかにする。
3.民の悔い改めと洗礼
ペトロの説教を聞いたエルサレムの人々は悔い改めました。37~41節
人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。 すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。 この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまり、わたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです。」
ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。
三千人ほどが洗礼を受けたとあります。仲間に加わり、教会が誕生したのです。3年半のイエス様の公生涯と言われます。この3年半の神の子としてのお働きは、福音書に記されているとおりです。多くの人を癒されたこと、言葉の宣教、数々の奇蹟。とくに5千人の給食、4千人の給食。イエス様を見、聴き、癒され、救われた人たちがいました。
しかし、その人たちの幾人かはイエス様を十字架につけた側にいたのです。「十字架につけろ」と叫んだ人たちだったのです。しかし、いま聖霊によって、悔い改め、信仰のリバイバルを経験した。聖霊が働いておられるのですね。
さて、この時代において、2020年の今も、聖霊は働いておられます。そのために、イエス様は十字架につけられました。しかし、復活され、聖霊が降臨されて、信仰者とともにおられるのです。弁護者として、慰め主として、助け主として、同伴者として、イムマヌエルの神はともにおられるのです。
このコロナ・ウィルスの感染禍においても、東日本大震災後においても、聖霊は働いておられます。そのことを信じ、聖霊によって強められましょう。このネット礼拝を視聴されておられる兄弟姉妹、聖霊なる神は、2000年前の聖霊降臨の時の、今も同じ聖霊なる神です。
祝祷にありますように、主イエス・キリストの恵み、父なる神の愛、聖霊のしたしきご臨在としてのお交わりは今ものちも代々限りなく与えられるのです。
祈ります。
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