2023年5月28日 聖霊降臨節第1主日礼拝
説教メッセージ
主イエス・キリストの受難、十字架の死から復活、イエス様は弟子たちに40日間にわたって、復活された姿を現されました。その後、天に昇られます。昇天ですね。その後,10日目に、聖霊が約束通りに降臨されます。復活日より50日目です。
さて、本日の説教は「約束の聖霊」と題をつけましたが、聖霊を送る約束という意味です。本日は聖霊について三つのことを申し上げます。
1 父の約束、主イエス・キリストの約束
約束は、アブラハム、イサク、ヤコブの時代からの約束であり、民族を超えて、すべての国民に対する神の配慮と愛による終わりの時の約束ということです。
誰が約束したのか? 主イエス・キリストです。主イエス・キリストご自身の約束なのです。イエス様がユダヤの長老たちの訴えにより、ローマ帝国の兵士に捕縛され、ピラトのもとで裁判を受け、十字架につけられます。その前夜、弟子たちに遺言として約束された言葉です。
「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である」
その約束は、一度だけではありません。十字架につけられ、死んで葬られました。しかし、三日目に甦られました。復活されたのです。その復活のからだを弟子たちに示されつつ、弟子たちに約束されました。
今日のテキスト、使徒言行録1章3節以下にあるとおりです。もう一度、お読みしましょう。4節から
「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によるバプテスマを授けられるからである」
8節
「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」
約束は実現されなければなりません。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲~ま~す」
子どもの間でも、約束事は実行する。それが、小さい時からの習慣として、社会の規則を守り、養うための大切な訓練でもあります。
選挙の公約(約束事)は、本来、政治家としてのマナー、姿勢、生命がけで守り、実行する約束事でもあります。しかし現実では、政治家の公約ほど軽いものはありません。これは、残念なことです。
神の約束はいかがでしょうか? 主イエス・キリストの約束は、これは命をかけた約束です。遺言なのです。遺言は法律上、遂行されなければなりません。神の御名、聖なるお名前をかけて、約束されたのです。決して、反故になることはありません。
それは、主イエス・キリストの血潮によって交わされた契約なのです。十字架の贖いと聖霊による力と励ましは、主イエス・キリストの永遠不変の恵みの約束なのです。
2.聖霊の降臨とその働き
ペンテコステの時に約束が実現されました。実際、弟子たちは聖霊が降られると約束されても、具体的にどういうことなのか、理解しなかっただろうと思います。聖霊って、何だろう。何が起きるのだろう。謎、不思議、疑問、懐疑が弟子たちの間にあっただろうと推測されます。
求道者のためにキリスト教入門講座を開きます。洗礼を志願される方がおられると、洗礼を受けるに当たって準備会を行います。そこで、聖霊について学ぶことがありますが、説明は難しいですね。三位一体の神の第三格、聖霊は神の霊です。主イエス・キリストの霊でもあります。
聖霊とは何でしょうか? 今、申し上げた通りです。神の霊、キリストの霊です。聖なる霊です。その働きは、役割と申しますか。それは、宣教の力です。
使徒言行録1:8「あなたがたは力を受ける」とあります。
力を受けるのです。自分で何かするというのではない。神の力を受けるのです。どんな力なのか? これが大事なことなのですね。
よく、新聞広告やチラシにダイエットの広告があります。納税の第1位はダイエットの会社の社長だそうです。ダイエットのサプリメントを服用する。その前と後の写真がチラシにつきものです。体重七〇キロ、八〇キロある女性の水着の写真があります。数ヶ月後、数週間後のダイエットの効果が現れた写真が隣にあり、比べることができます。何と、五〇キロ、四〇キロと体重が減少し、スリムになり、チャーミングな女性が写っているではありませんか! 同一人物なのですね。
使徒たち、弟子たち、ペテロは臆病でした。イエス様を三度知らないと否定しました。こそこそと逃げ回っており、二階座敷で息を殺すようにひっそりとしていました。それがどうでしょうか? 聖霊降臨後、弟子たちは大胆にも街に出て、イエス様を宣べ伝えるようになったのです。使徒言行録二章以降に書かれている通りです。
力を受けるとは、大胆にイエス様を語り、宣べ伝える力です。自分の力ではない。上から与えられる力です。キリストを証しする力です。
それは、迫害されること、殉教することを覚悟した宣教です。もう、二度とイエス様を知らないとは言わない。イエス様を拒絶することをもうしないという、告白に徹する信仰の力です。
3. 聖霊に満たされること
それは生きる意味を明確にします。現代、多様な価値観があり、それぞれてんでばらばらのように思われます。 そのような時でも、自分の生き方と目標をしっかりと持ち、地道に歩いていく、そういう方向性を与えられます。それが、聖霊に満たされるということです。
以下、項目的に挙げます。
- キリストを理解する知恵、真理の霊
ヨハネ16:12~14 キリストを証しし、キリストの栄光をあらわす。
「しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、ま た、これから起こることをあなたがたに告げるからである。その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。」
聖霊によらなければ、キリストを告白できない。わたしたちの信仰は聖霊によって導かれるのです。一コリント12:3
- 共にいる霊
聖霊は神の霊です。主イエス・キリストの霊でもあります。慰めと励まし、助け、導いてくださる霊 ヨハネ14:16~18
「わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である。」
- 成長、成熟へと導いてくださる霊
ガラテヤ5:16~26
「霊の導きに従って歩みなさい。霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう。」
- 賜物を賦与する霊
一コリント11~13章 カリスマ
⑤ 一致をもたらす霊
混乱した、無秩序の状態から、わたしたちを愛と平和の状態に導いてくださる。これが聖霊の働きの一つです。一コリント12~14章、エフェソ4章
多様さの中で、キリストがあがめられる。信じていくことで一つとなるのです。神の国の豊かさです。共に、キリストが与えてくださる賞を目指して、与えられた務めを全うするために、互いに助け合い、支えあって進みましょう。